Suiteカルテット
よく知らない駅に着いて、高校に向かう電車に乗ろうと思い、逆のホームに向かっていた。

途中で走ってきたおじさんにぶつかって、足にすり傷をつくってしまった。

おじさんは何を思ったか、「ふざけんな!邪魔なんだよ!!」
と怒鳴り散らして去っていった。

自分があまりにも不運で、涙が出た。

私は、近くにあったベンチに座った。

「この街にも、七晴高校に行く人いたんだ!」

聞こえた声に顔を上に上げた。

背が高くて、カッコイイうす茶の髪の人が立っていた。

「なっ!どうしたの!?
なんで泣いてんの。怪我してんじゃん。」

その人は、慌ただしく鞄からバンソコを取り出して、私の足に貼ってくれた。

私は、つい笑ってしまった。

「準備いいね。」

でも、本当は、王子様に見えたんだ。

だからつい笑っちゃったの。
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