Suiteカルテット
クラスの前まで来て、私と陸は目を合わせた。

陸は勢いよく、扉を開けた。

先生が話をしていたが、静まり返った。

「ごめんなさい。私、途中でお腹痛くなっちゃって、壱原君に助けてもらったんです。」

「そうなんです。先生!だから、ちょっとベンチで休んでました。すみません。」

陸は、目立つのか、女子達がこちらを見ながら、コソコソと話をしていて、陸の事だと分かった。

その子達は、すごい厚化粧で、髪の毛も濃い茶色と金髪で、高校の女の子ってイメージじゃなかった。

先生は、「事情は分かった。席は壱原はそこ。瀬戸はそこだ。」

先生は席を指で指し、指示した。

「瀬戸、お腹痛くなったら無理せず保健室に行けよ。」

男の先生は優しい感じだった。

「はぁい。ありがとうございます。」

作戦成功!
私と陸は、少し遠い席で、目を合わせた。

お腹痛いって事で通って良かった。
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