甘々王子と黒王子
「それで話ってなんですか?」

「君は僕を裏切らないでくれるよね」

いきなり何だろ?

裏切るとか裏切らないとか。

答えは決まってんじゃん。

yes

でしょ。

絶対。

これ以外の答えなんて天地がひっくり返ったってあるわけない。

その思いをそのまま伝えると、先輩はここまでの強張ったような顔をやめ、安堵の表情をうかべた。

「じゃあ今日、僕の家に来て」

は、はぃいいいいい!?

「僕の秘密を教えるから」

ああそゆこと。

けど家ってことは学校とか人目のあるとこじゃ困るほど大切な秘密ってことじゃないの?

それを私に言っていいのかな?

「恵ちゃんには知っておいて欲しいから。それに、変な勘違いされて恵ちゃんに……のは嫌だしね」

「先輩、もう一度最後のとこ言って下さい」

「恵ちゃんに嫌われるのは嫌だしねって言ったんだよ」

私に嫌われたくない、か……

嬉しい……

でもさ

変な勘違いって何だろ?

それともこれは夢だから気にすることじゃないのかな?


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