甘々王子と黒王子

本性ですか?

「へぇ〜
それで〜プリンスは〜来るんだよねぇ」

「イェス マム」

私は威勢良く返事をする。

「あんたたち恥ずかしく無いの?」

「私の辞書に恥じらいという文字はない!」

ナポレオンだっけ?


「若い頃は汗と恥をたくさんかきなさいっておばあちゃんに言われてるから〜」

「ほら〜
亀の甲より年の功だよ委員長」

「あんたらめちゃくちゃかっこ悪いこと言ってるの分かってんの?」

かっこ悪い?

「「どこが?」」

「どこがって……
もういいわ……」

「ハイッ
先生!
それは世間一般でいう焦らしプレイですか?
残念ながら私にはそんな趣向は無いのですが!」

「私にだって無いわよ!
っていうか誰が先生よ誰が!」

「この場合は〜
委員長だよねぇ」

うーん

多分それ委員長も分かってる。

「そうだ〜
どうでもいいけどさ〜」

「どうでもいいなら黙ってて!」

「でも〜
文化祭の〜ことなんだよ〜」

文化祭

その言葉が気になったのか委員長がるーちゃんの方を向いた。

ちなみに私に背中を向けております。

「あのね〜
委員長が悠里のことを〜
つまり私のことを〜虐待するシーンがあるんだけど〜
委員長嫌じゃないよねぇ」

「嫌に決まって……」

「委員長しか出来ないんだよ〜」

おお!

必殺奥義『委員長しか出来ない』出た〜

「しょ、しょうがないわね」

「ありがと〜」

委員長もよくこの手に毎度毎度引っかかりますな。

意外と天然か?

そしてそんな委員長を使うるーちゃんは腹黒か?

天然のフリをした腹黒って王道だもん。

そうか、そうだったのか。

「ちょっと
アレニマニマしてるけど大丈夫?
正直気持ち悪い」

「恵は〜時々ああなるから〜気にしないのが一番だよ〜
結構変人だし〜」

「変人ってよりバカなんじゃないの?」

「あはは〜
かもね〜」

二人のこそこそ話はもちろん聞こえていない。





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