甘々王子と黒王子
癒し系ってどんな人を思い浮かべますか?

私はふわふわしてるイメージ。

そして多分他の人もそう考えると思うんですよ。




「どう思う?」

「制服がだらしない。
校則違反ね」

「そうじゃなくて……」

「分かってるわよ
……信じたくないだけで……」

だよね。

私も信じたくない。

目の前にいる彼が『冴木 早大』だとは……

制服を着崩した彼が『冴木 早大』だとは信じたくないのだ!

「癒し系ってより俺様じゃん」

「そう思うわよね」

「おい、
何こそこそ話してやがる」

ばれた!!

「何話しててもいいでしょ〜
そうちゃんは関係ないんだから〜」

え゛

るーちゃん……

そんな相手を逆なでするようなこと……

「あ゛」

「るーちゃんッ
謝って」

「大丈夫だって〜
そうちゃんはヘタレだから〜」

「るーちゃ☆○#€〆%$〜〜〜〜」

「その口無理矢理ふさいでやろうか」

「どうやって?」

「こうやってだよ」

これはまさかマンガとかでお決まりの……

見ない方がいい気がする……

ごめんね、るーちゃん。

私はるーちゃんに心の中でことわってから自己保身のために目を瞑った。

んだけど……

「目開けても全然いいんだよ〜」

るーちゃん?

私はおそるおそる目を開く。

いつものニコニコ顔のるーちゃん?

「えっと……
冴木君は……?」

「あそこ〜」

「へ?」

窓の方に行って顔を真っ赤にしている冴木君。

「何で?」

「自分でやったことと言ったことに恥ずかしがってるの〜」

「はい?」

「ね、
かわいくて癒し系でしょ〜」

それは確かに一種の癒し系かもしれないけど……

「るーちゃんまさかこれ私たちに見せるために怒らせたの?」

「えへへ〜」

マジですか……

るーちゃんって……

「腹黒……」

「ん〜?
何か言った?恵〜」

「な、なんでもない……」

「そう〜?」

るーちゃん

怖いです……











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