甘々王子と黒王子
「……涼?」

ッ!

準先輩だ……

「恵……ちゃん?」

「先輩!
涼先輩から、準先輩のこと聞きました」

「……それで?
僕のことを軽蔑する?」

「そんなことしません!」

「同情?」

「違います」

「じゃあ何?」

これは……何だろう?

この気持ちは……

……そう

「親近感です!」

「は?」

「先輩は完璧で、これまで私なんかがそばにいちゃいけないんじゃないかって考えてたんです」

先輩は完璧

だけど……

だからこそ

別の世界の住人みたいに感じてた。

「でも、先輩も悩んだりするんだって知って、親近感がわいたんです!」

「でも、僕の両親は……」

「私は先輩が好きなんですよ?
親なんて関係ないんです!」

「関係ない?」

「そうですよ!
なら先輩は私の母親がキレるとおでんを投げつけるような人なら私を嫌いになるんですか?」

「お、おでん?」

あ、

私おかしなこと言ったっぽい?

しまった

私がそう考えた瞬間

先輩が笑い出した。

「先……輩?」

「恵ちゃん」

「き、嫌いにならないですよね?」

「もちろん」

よ、良かった〜

「先輩、私は先輩が大好きです」

「僕も……」

よしっ

あとは

先輩の母親について。




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