嫉妬深い狼と結婚生活⁈
-----そして
しばらくして
授業が終わる。
携帯を確認すれば
逢沢先輩から
連絡が入っていた。
それに軽く返信を返して
携帯に連絡先を登録した。
「じゃーまたお昼に集まろなぁー!」
「うん、後でねー!」
部屋を出て、
そう言いハタ達と別れる。
そして次の授業の部屋へと向かうと…
(……あ…。)
その向かった部屋の前に
見知った顔がすでに立っていて。
その彼と目が合って
私は軽く会釈をした。
「さっきぶりだね、ユカリちゃん。」
「はい。こんにちは、逢沢先輩。」
今1番会うと気まずい人物に
本日2度目の遭遇。
「さっきメール確認しました。
登録完了です。」
「そう。よかった。」
そう言って先程の
連絡先のことについて少し話してから
私たちは部屋の中へ入る。
すると…
「お、来たな真樹ー!
…と、アレ?この前の女の子。」
(………!)
中に入れば
逢沢先輩の名前を呼ぶ男の人が
こちらに向かって手を上げていて。
互いに認識をし合うと
私は内心 少し引きつった。
-----テニスサークルの人達だ。
「何だよ〜、お前ちゃっかり
この子捕まえちゃったわけー?」
そう言って近づいてきた
あのサークル長の人が
ヘラヘラ笑いながら
私の顔を覗き込むように、体を屈める。
…怖い…。
「違ぇよ。そんなんじゃない。」
「そうなのか?
へぇ〜、じゃあ俺と付き合おーよ♪」
「…え。」
そう言ってサークル長の先輩は
私の方に手を回して
この前のように距離を縮めてきた。
(…やだ…気持ち悪い!)
そう思って
思わず顔を背けて
ギュッと目を瞑っていると
隣にいた逢沢先輩が
すぐに彼の手を払い退けた。
そしてその彼に
先輩がハッキリと言い放つ。
「…やめとけ。
この子、 "あの"濱崎の 奥さん 。」
(----------!!)
先輩がそう言った瞬間
その場の空気が
ガラリと冷めていくのが伝わってきた。