嫉妬深い狼と結婚生活⁈





そんな事を考えながら

俺はユカリの通う大学の前までやってくる。






(はぁ…こんなことなら俺もこっちに進学すりゃ良かったか…?)







なんて

柄にもなく昔のことを後悔するように
そんな思考が働く。



もともとはユカリと高校も同じだったから
むしろ本当はそのままエスカレーター式に

ここの大学に行くのが普通。





でも俺はあえてそれを避けた。





----理由は、あの"事件"があったから。








(まぁ、今となってはお互い若気の至りってことで笑い話にはなってるけど…。)






俺らが良くても
周りが良くない。







はぁ、と再びため息を吐きながら
車を出て

車体に寄っかかる。



そろそろあいつも戻ってくるはず---








「………は…?」








そんなことを考えながら
前を向いていれば

その姿を捉えたと同時に

そんな声が出てしまった。







(----------隣のやつ、誰だ。)







こちらへ歩いてくるユカリの隣に
いつもの親友2人ではない

他の男が一緒だった。





俺は反射的に眉間にシワを寄せながら
その男の方を睨む。






-------見たことねぇ面だな。








「……ごめん、待たせて。」

「…いや。」







俺の前までやってきたユカリに
そう答えながら

俺はまだ目の前の男から
視線を外さなかった。





…変な胸騒ぎがする。









「あ、えっとね
この人は逢沢真樹さん。
1つ上の先輩で…この前話してたハタの部活の先輩。」







心なしか元気がないユカリが
俺から目を逸らしながら

目の前の男を紹介する。






…秦山くんの先輩ってことは…







(-----------!)









「……へぇ、空手部の。」








そうか…





なるほどな。










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