嫉妬深い狼と結婚生活⁈
(------------。)
ユカリの言葉を聞いて
俺は家のドアを開ける。
そしてそれと同時に
彼女の腕を引っ張って
自分の方へ-----引き寄せた。
「っ……?!」
------ギュッ
ドアが閉まるのと同時に
俺はユカリを強く抱きしめる。
ユカリが驚いて息を飲んだのが分かったが、そんなのはお構い無しだ。
(----------ユカリ。)
覚悟はしていると言ってはいたものの
拒絶されることはやっぱり
どうしても…耐え難い。
そう思いながらユカリの返事に
体が緊張していたから
尚更---
ユカリの言葉が、嬉しかった。
「……ユカリ、ありがとう。」
過去がどうであっても
今の俺を愛することは変わらない---
そう言ってくれたユカリを
今の俺はどうしても、めちゃくちゃに愛してあげたかった。
「…ごめんね、変な心配させて。
私がおかしな態度とったから…。」
「いや……別にいい。
話してなかった俺が悪いし、仕方ない。」
玄関で抱き合いながら
静かにそう話す俺たち。
すると不意に-----ユカリが顔を上げる。
「……圭斗。」
「…何?」
「……勝手に先輩から昔のこと聞いてごめんね。」
そのこと、謝りたいの。
そう言ったユカリの真剣な顔に
俺は少し沈黙を置いてから
ユカリの頭にポンっと手を乗せた。
「…別にいいよ。
もっと知りたいなら、俺から話すし。」
-----もう、隠し事はしないから。
そう約束して
俺たちは家の中へ上がった。