嫉妬深い狼と結婚生活⁈
「…何か聞きたいこととかある?」
「……えっと…。」
家にあがって
リビングのソファに
一緒に腰掛け、そう話し始める。
ユカリは少し考えながら
ゆっくりと言葉を続けた。
「…ちゃんと、圭斗の口から
昔のこと聞きたい…です。」
「…わかった。」
そう言われて
俺は薄く笑って
少し黙って考えながら
ユカリに話し始める。
確かに
この身なりの通り
昔から尖ってはいたと思う。
高校は特に荒れていて
その頃は昔よりも両親が働き詰めで、
海外出張に行ったりして
家にいる時間がほとんど無かった。
家では妹と2人きりだし
妹はあんな感じで
生意気で我儘でチャラついてるし。
夜遊びしてくる妹を
呼び戻しに行ったり
見かけた時は仕方なく連れて帰ったり
それはそれで疲れてストレスで。
妹も反抗期だったからか
全然言うことを聞かないし。
それを発散するために
高校ではかなり暴れていた。
「…そん時に、あの空手部の一件が起こってさ。」
「……うん。」
ユカリは静かに
俺の言葉に耳を傾けながら
ゆっくり頷いていた。
空手部のエースであったあいつと
喧嘩になった理由は、
そもそもは向こうからだった。
校内で荒れてると噂されるようになって
何かと絡んでくる奴が増えていたが
あいつもその1人で。
自分が空手をやっていたから
それを武器に、俺につっかかってきた。
「え……向こうから、だったの?」
「あぁ。俺の存在がムカついたんだろ。」
それまでは
あいつが校内で1番強いって
言われてたからなぁ。
そこに突然現れた俺が
邪魔な存在だったんだと思う。