嫉妬深い狼と結婚生活⁈






-----そして、授業が終わり


生徒達は皆荷物を持って
それぞれ次の授業へ移動して行く。






「2人とも、次教室どこ??」

「俺は305号室ー。」

「私は407だよー!」

「あ、そっか…
じゃあ皆バラバラだね。」






そう言って私たちは教室の前で分かれて
それぞれの教室へと移動する。



教室に近づくと
私は前にいる彼に気がつく。






(あ……。)






さっきの…逢沢先輩だ。



彼らもそれぞれ別の教室に向かい
たまたま私と逢沢先輩が
同じ教室らしい。



縁があるなぁ、と思いながら
私も教室へ入る。








(-------えっ!)







教室へ入ると
そこはもう人で一杯で。


空いてる席は…あ、後ろの方に1つ。





(…仕方ない、お邪魔させてもらおう。)






先に片側に座っている男の人に
すいません失礼します…と声をかけると


お互い、あ。と声が出た。







「さっきの…。」

「あ…逢沢先輩…さん。」






知り合いではないのに
名前を知ってるなんて変だよね、と思い
思わず呼んだあとにさん付けしてしまった。



その様子を見て
プッ…と先輩が吹き出す。




あれ、この人クールかと思ったら
吹き出して笑ったりするんだ…。








「どーも。
…さっきはごめんね、連れが。」

「あっいえ…!
こちらこそ、ありがとうございました。」







改めてお礼を言って
私は席についた。


さっきは全然気にしてなかったから
分からなかったけど、

逢沢先輩って顔整ってるなぁ…。





(何か私の高校の空手部って
イケメン多いなぁ…。)






そう思いながら
ハタの顔を思い浮かべる。

そういえば斎藤くんも空手部だったよなぁ。




…知り合いの空手部の人皆かっこいい。

すごいミラクル。







「改めて、2年の逢沢真樹です。よろしくね。」

「あ、えっと…は、濱崎ユカリ…です。よろしくお願いします。」






自己紹介を済ませ
お互いに挨拶も済ませた。



無口なタイプかと思いきや
普通に話しかけてくれた、逢沢先輩。







「ユカリちゃんは、何かサークル入るの?」

「あ、いえ。バイトとか家事とかあるので、特に考えてはないんですけど…。」

「家事?1人暮らしなの?」







私の言葉に
ん?と疑問を浮かべている逢沢先輩。


あ、やってしまった
と私は思った。



学生のうちに結婚したなんて言ったら
絶対びっくりするだろう。

隠すようなことでもないが
言っていいのかイマイチ疑問で…






「あーでもそうじゃなくても
家事くらいやるか。」







私が答えに迷っている間に
先輩はそう思い直し

結局言うタイミングを逃した。







「逢沢先輩はテニスサークルですよね?」

「うん、そうだよ。」

「空手はもう続けないんですか?」

「あぁ、祥一から聞いたんだ?
…そうだね、空手…もう引退かな。」





そう言ってははっと軽く笑う逢沢先輩。






「俺が憧れてた選手も
高校卒業してやめちゃったから…
俺も高校で終わり。」





空手好きなんだけどね、と優しく笑う先輩。


好きな選手かぁ…
強い選手だったんだろうなぁ。

ハタにもそういう選手がいたのかもなぁ。




そう思いながら
私は先輩に相槌を打つ。







「そういえばユカリちゃんって
彼氏いるの?」







-----ギクッ!





話していると不意に
そんな話をなってしまった。


私は顔を引きつらせながら
えっと〜と言葉を詰まらせる。






「か、彼氏というか…その…」

「うん?」

「……だ、だ……」

「だ?」










「だ、旦那が…います。」










私の言葉に


一瞬ポカンとする先輩。






だけど…











「……え、えぇえーーー?!?!」








逢沢真樹先輩

思わず、絶叫。







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