嫉妬深い狼と結婚生活⁈
いや、でも
ちゃんと絶叫の直前
こうなることを予期して
先輩の口に手を当てました。
そのおかげで、そんなに目立つようなことにはならなかったけど…
「お、驚きますよね…はは…。」
「---っ、-----?!」
苦笑いする私に反して
逢沢先輩は---フリーズ。
せ、せんぱーい?
しっかりしてくださーい
帰ってきてくださーい…?
「逢沢先輩…。」
「っ…ぁ……ご、ごめん。
何かすごい…びっくりして。」
そうですよね…。
まだ18歳の子がまさか結婚してるなんて思いませんよね…
世の中晩婚って言われてるくらいなのに…あはは…。
「ユカリちゃんは…俺より1歳年下、だよね?」
「はい。」
「なのに…そっかぁ、もう結婚してるのか…。」
逢沢先輩はそう言いながら
私の左手にある指輪を確認する。
そして少し眉を下げて
残念そうに私を見た。
「何かの縁…って思ったんだけどな。」
「え…?」
そう呟くと逢沢先輩は
少し頭をかいて、ははっと笑った。
……?
私は先輩の言葉の意味がよくわからず
はは…と同じく小さく笑って、返事を返す。
「…旦那さんって、同い年?」
「あ、いえ。私より3歳上です。
お互い学生なんです。」
「3歳上?
…それで、名字は濱崎っていうこと?」
「え?あ…はい、そうですよ?」
私がそう告げると
少し眉を寄せていた逢沢先輩が
私から顔を少し逸らすように
前を向いて
何やら神妙な顔をしていた。
(----------?)
どうかしたのか、と
私は黙って先輩の様子を見ていた。
「…まさかね。」
先輩が小さくそう呟いたのを知らずに。