【完】恋が終わる前に。



「…天ちゃん、」



「ごめん、青山くん……っ」



はるくんの背中を見ながら、わたしは静かに涙を流した。



この涙と一緒に、はるくんへの気持ちも流れてしまえばいいのにと思う。


でもそれは出来なくて、

「泣いていいよ。その為の俺でしょ?」


青山くんに甘えることしか出来ないわたしを、心底嫌なやつだと思った。





文化祭、2日目。


見回り前に先生の所に行けと言われて来てみれば、


「……なん、でっ」


来なくていいと言ったはずのはるくんがいた。


「瀬名、お前おせーよ!」


「えっ、ごめんなさい…」


いや待ってよ、頭がついていかない。


見回りをするつもりで来た。


でもそれは、1人でするつもりだった…のに。


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