【完】恋が終わる前に。
「…天ちゃん、」
「ごめん、青山くん……っ」
はるくんの背中を見ながら、わたしは静かに涙を流した。
この涙と一緒に、はるくんへの気持ちも流れてしまえばいいのにと思う。
でもそれは出来なくて、
「泣いていいよ。その為の俺でしょ?」
青山くんに甘えることしか出来ないわたしを、心底嫌なやつだと思った。
*
文化祭、2日目。
見回り前に先生の所に行けと言われて来てみれば、
「……なん、でっ」
来なくていいと言ったはずのはるくんがいた。
「瀬名、お前おせーよ!」
「えっ、ごめんなさい…」
いや待ってよ、頭がついていかない。
見回りをするつもりで来た。
でもそれは、1人でするつもりだった…のに。