【完】恋が終わる前に。



それはわたしも気になってることだけど



「優しいからだと思います」


冷たいけど、誰よりも優しいはるくんだから。


わたしのワガママに付き合ってくれたはるくんは、誰よりも優しいと思う。


「意味分かんない……っ」


「うん。分からなくていい。はるくんの優しさをあなた達は知らないままでいいよ」


はるくんの優しさを知ってるのは、わたしだけでいい。


わたしだけがいい———。


そんな叶うはずもない願いを


『心』


はるくんの声が流れる頭の中で思うんだ。



「日向くんにはお似合いの彼女がいるの!文化祭の時見たの……!だから、日向くんのことたぶらかすのやめてよ」


……信者さん達はよく分からない。


自分がはるくんの特別になりたいとは思わないのだろうか?


それとも、わたしみたいな可愛くない人が付き合って自分は付き合えないから、こんなことを言ってるのだろうか。


分からない、分からないけど、


「何もしないよ」


はるくんの大事な人は、とっても素敵な人だったから。


< 110 / 159 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop