【完】恋が終わる前に。
*
【青山Side】
昼休み、呑気に弁当を食べていた所へやって来た1人の男。
俺の友達で、俺の好きな人の好きな人
「体育館裏行って…」
日向晴だ。
涼しい顔して、他人に興味なくて、焦った所なんて見たことない。
そんな日向が焦ったように俺に言う。
「なんで?」
「いいから、早く。あいつの彼氏だろ」
「え?天ちゃん?」
俺が彼女の名前を口にすると、苦しそうに顔を歪める日向。
「女に呼ばれてるんだよ。多分、文化祭の時と同じやつ」
「……それって、やばいんじゃ」
「だから早く行けって!」
そんなに焦るなら、日向が行けばよかったのに。
言いかけた言葉を飲み込んだ。