【完】恋が終わる前に。
「なんで心?俺、心と付き合ってねーけど」
「嘘だ!え、嘘ですよ」
はるくんの胸へと当てていた自分の顔を挙げると、彼と目が合ってしまった。
「ってか、俺お前に告白したんだけど?」
その絡まった視線を逸らすことを許さないように、はるくんは腰に回していた片方の手でわたしの顔を固定した。
「……っ」
「顔赤いよ?誤解すんな。俺が好きなのは天」
こんなはるくん知らない……よ。
優しくて、甘いはるくんなんて知らない。
わたしの知ってるはるくんは、冷たくて、わたしの名前を呼ばなくて、愛の言葉なんて絶対口にしないような人だ。
本当にはるくんなのかと疑いたい。
「……あの、はるくんですよね?」
「当たり前。バカ?」
うん、やっぱりはるくんだ。