【完】恋が終わる前に。
だけど、自分からはるくんの所に行く勇気は持ってないのです……。
これ以上、はるくんを怒らせたくない。
「先生、仲直りするためにはどうすればいいですか?」
誰もいなくなった教室で、片付けをしていた先生に問いかける。
「自分が悪いことしたんなら謝れ。そうじゃないなら謝るな。相手が悪いのに瀬名が謝ったら、相手もなんでお前が謝るんだってなるだろ?」
……なるのかな?
そうだとしたら、悪いのはわたしなんだろうか。
それとも、はるくんなんだろうか。
分からない場合はどうしたらいいのかな?
「謝って許してもらえなかったら?もっと怒らせちゃったら?」
「お前謝ってもねーのに、怒らせる場合のことなんて考えんなよ…。そんなんじゃ、いつまで経っても仲直りできないから」
先生はわたしの方をジッと見て、
「日向は謝らないと思うから、お前が頑張れ」
そう一言、呟いた。
……だよね。わたしもそう思います。