【完】恋が終わる前に。



だけど、自分からはるくんの所に行く勇気は持ってないのです……。


これ以上、はるくんを怒らせたくない。



「先生、仲直りするためにはどうすればいいですか?」


誰もいなくなった教室で、片付けをしていた先生に問いかける。


「自分が悪いことしたんなら謝れ。そうじゃないなら謝るな。相手が悪いのに瀬名が謝ったら、相手もなんでお前が謝るんだってなるだろ?」


……なるのかな?


そうだとしたら、悪いのはわたしなんだろうか。


それとも、はるくんなんだろうか。


分からない場合はどうしたらいいのかな?



「謝って許してもらえなかったら?もっと怒らせちゃったら?」


「お前謝ってもねーのに、怒らせる場合のことなんて考えんなよ…。そんなんじゃ、いつまで経っても仲直りできないから」


先生はわたしの方をジッと見て、



「日向は謝らないと思うから、お前が頑張れ」


そう一言、呟いた。



……だよね。わたしもそう思います。




< 13 / 159 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop