【完】恋が終わる前に。





帰り道、はるくんはわたしの一歩先を歩く。


「はるくん、手を繋いでもよろしいですか?」


「無理」


……さっきまでの可愛いはるくんはどちらへ?


「繋ぎましょうよ、はい」


立ち止まって、はるくんに向かって左手を差し出すも無視。


「がーん」


と、ショックを受けているわたしの気持ちを言葉で表現して伝えるとこれまた冷たい顔をされた。


「右手、出して」


「ん?右手?」


「こっちならいいよ」


はるくんが握ったのはわたしの右手。


それははるくんが道路側を歩いてくれることを意味するものだった。


「好きです、はるくん」


この溢れる思いを伝えたい。


はるくんに知ってほしい。




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