【完】恋が終わる前に。
「見んな。早く部屋戻れよ」
「ひどいな~、晴は。今度紹介してね。じゃ、心戻る?」
「うん!天ちゃん、また遊ぼうね」
心ちゃんに返事が出来ぬまま、はるくんに部屋の中へと押し込まれた。
「……お前は、いつになったら俺のこと信じるわけ?」
「え……っと」
後ろにはドア、目の前にははるくん。
その目の前に立っていらっしゃる人物はずいぶんとお怒りのようで……。
逃げたくても、ドアノブをはるくんが掴んでるから逃げられない。
あのこれはたぶん、少し前に流行った壁ドンというやつですか?
一回でいいからやられてみたい~。
なんて、夢に見ていたわたしに言いたいです。
胸キュンなんてものじゃないです。怖いです。
すっごい冷たい目で至近距離で睨まれ、逃げるところがない。
……どうしよう。どうやって逃げよう。