【完】恋が終わる前に。


無い知恵をふりしぼって考えた結果、逃げ場がないという結論にしかいたらなかった。



「……怒ってますか?」


「うん。お前がフラれに来たとかわけわかんないこと言うからね。なぁ、言われた時の俺の気持ちをお前は考えたことあんの?」


いつになく饒舌のはるくん。


これは本気で怒ってるから…だと思う。


「聞いてる?人の話?」


「……っ、聞いてる、聞いてますっ!」


あまりのはるくんとの距離の近さに、耐えきれず下へズルズルと落ちたわたしに並行してはるくんも下がった。


立ったままの状態から座った状態へと移動すれば、その距離はますます近くなり



「は、離れませんか?」


思わずそう言ってしまった。


「無理。天も知ればいいよ」


そう言いながら、はるくんはわたしの頬へと片手を移動させ


「俺がお前にどれだけ惚れてるか、知ればいい」


そう甘い言葉を言うのです。



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