【完】恋が終わる前に。
*
……キスなんてするつもりなかった。
これは絶対、天が悪い。
潤んだ目で
『じゃあ…自覚できるようなことしてください』
なんてこと言うから……。
ってか俺、キャラ変わりすぎ。
あれか、もしかして俺は実はクールじゃないのか。
ただの甘い男だったりして。
うわ…嫌だな。
「はぁ……」
放心状態の天を自分の部屋に残して、リビングに気持ちを落ち着かせるために降りた。
「……ちっ」
リビングのソファーに座ってイチャイチャしてる俺の兄と幼馴染。
「ね、ゆーくんわたしのこと好き?
あのね、自覚できるようなことして?」
「仕方ねーな……」
うん、待て。ちょっと待て、お前ら。