【完】恋が終わる前に。







「お邪魔しました」


まだ6時でも明るい夏の太陽は、昼間のような輝きを放っているわけではなく、ただぼんやりと辺りを照らしていた。



「駅まで送る」


「大丈夫だよ!道なら覚えてるから」

行きも迎えに来てもらったのに、帰りもなんてそんなの迷惑になる。


「明るいし、本当に大丈夫」


「変なところで遠慮いらない。行くよ」


1人で家を出たはるくんは、やっぱりわたしに道路側を歩かせないように、自分が道路側によっていてくれた。


不器用な優しさが、好きです。


はるくんと付き合って、知らなかったはるくんを知る度に積もる“好き”という気持ち。


どれだけ高く積もるのか自分でも想像出来ない。


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