【完】恋が終わる前に。
「あっそ」
……まあ、うん。
返事してくれるだけで幸せだと思わないとダメですよね。
どれだけ冷たい言葉でも、意地悪な言葉でも無視されるよりは全然ましだ。
会話にはなってないかもしれないけど、わたしははるくんと話しをしてるってことになるから。
それだけですごいことなんですよ。
あの、あの、日向晴くんと会話してるって……。
入学したばかりのわたしに教えてあげたい。
はるくんはやっぱりすごく優しい人だったよと。
*
「…はる!」
ブラブラと神社の中を見て回っていたわたし達。
後ろからはるくんの名前を呼ぶ声が聞こえて振り返ると、30歳後半くらいの男の人が立っていた。