【完】恋が終わる前に。
「貰ったんならさっさと行こ」
「……っ」
綿あめの持ってない方の腕をはるくんが掴んで引っ張られる。
……は、はるくんがわたしの腕を掴んでますよ‼
感動です、やっとわたしと手を繋いでくれるんですね⁉
と、心の中でいろいろ考えていたわたしだけど神社を出るとすぐにその手は離されてしまった。
……現実は綿あめみたいに甘くないですよね。
あ、ちょっとうまいかも、わたし。
「なに、一人で変なこと考えてんの。キモい」
「………」
おじさんへの対応の流れでわたしにも同じような言葉をぶつけてくるはるくんに若干ショックを受けながらも
「変なことじゃないですよ。女の子のロマンです」
と言うとはるくんはやっぱり冷たい顔をして
「キモい」
と、一言いうのです。
でもやっぱり、道路側を歩いてくれるはるくんでした。