【完】恋が終わる前に。
*003『キミに惚れたところ』
▽言葉をかけてくれたところ。
*
【中学3年 夏】
「……ご、ごめんっ」
「なんで天が謝るの?天のせいじゃないじゃん」
ソフトテニス部に入部して3年。
中学最後の試合で、わたしはミスを連続して負けてしまった。
団体戦で、1対1の最終戦。
この試合で勝った方が勝ちという大一番のところでのミスの連発。
チームメイトは言葉は優しいけど、まとう空気が最高に怖い。
わたしが悔しくて泣くのはミスをしといて、ダメなのかもしれないけど
「泣かないでよ、天」
泣かないなんて無理だった。
「ごめん。トイレ行ってくるね」
結局、みんなの前から逃げたわたし。