【完】恋が終わる前に。



「やだよ。そんなに無理。帰っていい?」


「わぁぁあ!!ダメです。お願いします…っ。本当に日向くんのこと好きなんです」


「俺のこと何も知らないのに?
ただ、あの一瞬話しただけじゃん」


あの一瞬、たった一瞬だけど話したから

だからわたしは日向くんを好きになったんだよ。


「日向くんがいなかったら、わたしはテニスを嫌いになりました。みんなとも話せなくなってたと思います。でも、日向くんがいたからわたしはみんなと向き合えたんです」


あなたにとっては大したことではないのかもしれない。


でも、わたしにとっては大切な言葉だった。


「泣いてるわたしなんて無視すればいいのに、日向くんは声をかけてくれました。それってすごい優しい人だと思いませんか?」


みんなが日向くんのことを冷たいと言おうとも、目の前にいるあなたが冷たい声で言葉を発しても


「わたしはわたしの好きになった日向くんを信じます」



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