【完】恋が終わる前に。
「ムカつく、ほんと」
「え…っ」
下駄箱に着いて、立ち止まったはるくんが言った言葉。
「お前さ、優しく言葉くれたやつなら誰でもいいわけ?」
「……な、何言ってるの、はるくん」
「別に。早く文化祭が終わればいいのにって思っただけ」
「———っ」
心臓が止まるかと思った。
いつも“ウザい”とか“キモい”とか言うはるくんだけど、直接的にそんなことを言ったことはこれまでなかった。
「ごめ……」
はるくんはわたしの言葉を聞く前に、1人で帰っていってしまった。
「っ」
泣くな、泣いちゃだめだ。
だって、だって……っ。
分かってたことじゃない。