【完】恋が終わる前に。
友梨香の彼氏に会えるのを楽しみに、わたしも頑張ろう。
……遠目からでもいいから見てやりますよ。
少し見れればラッキーかなとしか思ってなかったんだけど
「あの、友梨香……いますか?」
お昼を少し過ぎたころ、受付の係をしてたわたしのところに遠慮気味にやってきた一人の男の人。
背が高くて、真面目そうな男の人で……これはたぶんもしかしなくても
「友梨香の彼氏さんですか?」
多分、この方でしょう。
「あ、えっと、はい……。もしかして天ちゃん?」
❝彼氏❞という言葉に反応したのか、ちょっと赤くなる友梨香の彼氏。
「はい!友梨香、もう少ししたら来ると思いますよ」
友梨香は教室の中で案内役をしてるから制服に着替えるために更衣室に行ってる。
わたしはもともと制服のままだから着替える必要はないです。
「友梨香から天ちゃんの話、よく聞いてる。
ごめんね、ちょっとプライベートなことも聞いてるんだ」
「大丈夫です。わたしこそ友梨香に変な心配ばっかりかけちゃってすいません」
友梨香はわたしのことをこの人に相談したんだと思う。