✿桜ヒラヒラ舞う頃に…❀
その後色々あったけど、なんとか土方さんって人の部屋の前までたどり着いた。
「土方さんー!沖田です!只今帰りましたっ!あと土方さんにお客さんです!」
あ、あのー、沖田さん?もう障子開けてますよね?そこは断りを入れてからの方が…。いや、でもそれだけ親密な関係ってことよ…ね?
「おい、総司…。てめぇは何度言えば気が済むんだ?声は障子を開ける前にかけろって」
あー。
うん。私と思ってたのね。
「すみませーん(笑)」
沖田さんっ!それわざとなの!?土方さんって方を絶対に煽ってるよね!
「はぁ。で?客?客間に居るのか?客が来るなんて聞いてないが…」
ちょうど沖田さんの影になって見えてないのかな?
「いやだなぁー、土方さん!ここにいますよ!てか客間なんてありましたっけ?」
「一応てめぇもここの隊士なら場所くらい把握しとけよ。てか、は?ここにいる?」
あ、これは早くちゃんと姿が見える位置に移動しなくてはっ!
「あの、こんにちは…」
「…?あ…。昨日の甘味処のとこの。」
「あの、昨日は危ない所を助けて下さり、本当にありがとうございましたっ!」
バッと勢いよく頭を下げた
「ああ…。あの後は大丈夫だったか?」
「はい。お蔭さまで、何ともありませんでした。昨日は助けていただいたのにお礼も言えなくて…」
「いや、気にしなくていい。それより、何故総司と一緒なんだ?」
「あー。桜の木の上でお昼寝してたんですけどー、なんか見たことのある子が木下に居るなーと思ったら昨日の子だったんです」
沖田さん、お昼寝してたのね…。起こしちゃった、て事かな…?
「はい。それで、沖田さんにお礼がしたいって頼んで連れてきて貰ったんです。あ、そうだ。これ、ホントつまらないものですが…」
途中で買ってきた団子や羊羹を包んだ袋を渡した。
「いや、気を使わなくて良かったんだが…。それに俺達は町の治安を守るのが仕事だ。当然の事をしただけだよ」
か、かっこいい…