✿桜ヒラヒラ舞う頃に…❀
建物の影に隠れているとはいえ私たちのやり取りは目の前を通り過ぎる人たちは気がついているだろう。
それでも誰も助けてくれないのは単に町の治安が悪いのと、目の前の男達が武士であることだろうと、頭の片隅で冷静な私は分析していた。
武士に逆らえば何があるか分からない。腰に差した刀はただの飾りではないのだ。怒りを買えばその瞬間命は無いに等しい。
皆、自分の命が惜しいのだ。
当たり前だけど、それでも救いを求めてしまうのは自分もまだ死にたくないと思っている証拠だ。
依然として変わらぬ状況に絶望を感じた