【⑤おまけ】オオカミさんの新婚事情 上司とイキナリ結婚したら。
「本当だってば!ホラ、写真だって…」

 と言いつつも、二人で撮った写真など一枚もない。

 仕方なく、こないだの忘年会のカラオケでの写メールを見せる。

「…ハイハイ。嘘ついてもダメ」

「う~~」

 やはり信じて貰えない。

 私達、そんなに釣り合わないのかな…

 落ち込みが復活し始めた時、彼が意外な事を言った。


「…まあ、良かったじゃないか。多少盛りすぎにしても、いい人が出来てさ」

「ハヤトくん…」

 昨今、悩んでいた折である。

 その言葉にウルッときた私は、2年間一緒に暮らした気安さから、つい言わずの事を、彼に愚痴ってしまったのだ。


「あの…実は…」


 …彼は、腹を抱えて笑った。


「オマエ、昔っから色気なかったもんな~~。ムネでかいのにさ、言動が色々と残念だからなぁ」


「そ、そうかな?」


「…まあ、でも…。俺にとっちゃ良かったよ?楽でさ」


 胡座を崩して足の指を弄びながら、彼はしみじみ語った。

 
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