【⑤おまけ】オオカミさんの新婚事情 上司とイキナリ結婚したら。
「らく?」

「…だから、その人もきっとそうなんだよ。外で愛想振り撒いて、女の子にもお世辞ゆってさ、家でも同じ事やってらんないだろ?
 お前の場合はホラ、小動物に癒される感じ?」

 …あの頭ナデナデは、ペット的な感覚だったのか。

……あれ?

 でも、あの『キラキラスマイル』は?

 私の経験上、アレは“外面”な気が…。



 新たな疑問を抱きかけた時、ハヤト君はばつが悪そうに頭を掻いた。


「あのさ…、勝手だと思うだろうけど」

 息を継ぐ。

「…遊びたいっつったけど、本当は、まずは仕事頑張りたいってとこ、あったんだ。
 ほら、就職だって。結局、お前のが良いとこ受かったじゃん?
 男だし、俺も負けたくないって気持ちもあったりでさ…
 オマエには、可哀想な事したよ。ゴメンな」

「ハヤト君…」

「まあ、のんびり構えていればいいさ。その人も、仕事が落ち着いたらそのうち…な?」

「そっかぁ、そうだよね…」

 懐かしい人の言葉で、落ち込んでいた私の心は、少し励まされたみたいだ。
< 12 / 28 >

この作品をシェア

pagetop