【⑤おまけ】オオカミさんの新婚事情 上司とイキナリ結婚したら。
相変わらずの仲良しケンカ。
それももう今日で見納めだと思うと、少し寂しい。
あんなこと言っちゃってるけど、オオカミさんだってきっとそうにちがいない。
ああ、本当に3人とも違う道を歩き出してしまったんだ…
ついこないだまで私が居た業務課は、
もうどこにもない。
「……グスッ」
感傷に浸る私を他所に、なにやらヒソヒソと内緒話をしているようだ。
(ところで大神、約束はきちんと守っただろうな)
(ああ。勿論だ)
「よし。
おーい、トーコちゃん」
いつの間にやら、少し離れた位置にいた熊野さんが、私を呼んでいる。
私は目を擦り擦り、2人のところに駆け寄った。
彼はオオカミさんを軽く小突くと、いつもの優しい顔で笑った。
「こいつ、ホンッット酷い奴だから、
きっと苦労はするだろうけど…頑張れよ。これからはもう、俺は守ってやれないから」
「余計なお世話だ」
拗ねたように唇を尖らせたオオカミさんの後頭をもう一度小突くと、熊野さんは男友達の輪の中に消えていった。
そっかあ…
今さらだけど、ちょっと羨ましい気もするな。
彼に愛される女の人はきっと、おおらかに、誠実に包んで貰えるだろうから。
おめでとう、熊野さん。
それももう今日で見納めだと思うと、少し寂しい。
あんなこと言っちゃってるけど、オオカミさんだってきっとそうにちがいない。
ああ、本当に3人とも違う道を歩き出してしまったんだ…
ついこないだまで私が居た業務課は、
もうどこにもない。
「……グスッ」
感傷に浸る私を他所に、なにやらヒソヒソと内緒話をしているようだ。
(ところで大神、約束はきちんと守っただろうな)
(ああ。勿論だ)
「よし。
おーい、トーコちゃん」
いつの間にやら、少し離れた位置にいた熊野さんが、私を呼んでいる。
私は目を擦り擦り、2人のところに駆け寄った。
彼はオオカミさんを軽く小突くと、いつもの優しい顔で笑った。
「こいつ、ホンッット酷い奴だから、
きっと苦労はするだろうけど…頑張れよ。これからはもう、俺は守ってやれないから」
「余計なお世話だ」
拗ねたように唇を尖らせたオオカミさんの後頭をもう一度小突くと、熊野さんは男友達の輪の中に消えていった。
そっかあ…
今さらだけど、ちょっと羨ましい気もするな。
彼に愛される女の人はきっと、おおらかに、誠実に包んで貰えるだろうから。
おめでとう、熊野さん。