【⑤おまけ】オオカミさんの新婚事情 上司とイキナリ結婚したら。
まさか。
 

エッチ、するのかな?

 
何もない事が当たり前になっていた私は、急に意識し始めてしまった。

鼓動が高鳴り、頬が上気しはじめる。

気取られぬよう、殊更に夜景に感動したふうを装う。

すると、私の頭に手が置かれた。

いつものように優しく撫でる。


ああ、やっぱりナデナデ…


一抹の寂しさを覚えながらも、ホッと安堵の息を吐く。


「…今日で、解禁だ」

「え?」


硬い声色の呟きに、思わず振り返った。


「…オオカミ…さん?」


彼の眼が冷淡に私を見据えている。

その目線に潜んだ狂気に、私の本能が怯え始める。

「ひっ…」

思わず後ずさった。

冷えた強化ガラスに背中がぶつかる。

彼もまた1歩、間合いを詰めた。


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