何度でも、君に





え、待って今なんて言った?


寝耳に耳と言わんばかりのその言葉は眠気で鈍っていた私の頭を早急に覚ましていった


嫌でも待って昇降口だよ?階段なんて使わない.....きっと聞き間違えだよね


そう自分に言い聞かせるも、嫌な考えは止まらない


私こんなに早く走れたんだ、そんな自分でも驚くほどのスピードでかけて行く


大丈夫、大丈夫。だって昇降口で待ってるって言ってたし、いつも通りの顔で遅いよって笑うはず


そんな考えを現実は無残にも打ち砕く


その場についた時、真っ先に目に入ったのは赤だった....


『しゅん.....?』


階段の下に倒れている愛しい人の額から流れる赤い血の色


彼を失うんじゃないかという恐怖で背筋が凍ったのをはっきりと覚えている










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