生きる。~番外編~
「ねぇ、やっぱ歩合なの?」
私は小さな声で爽に聞いた。
「歩合が大きいな。
だから客は取り合い。
由茉は見た目大学生だから
最初は相手にされてなかったけど
よく見るといい靴はいてるしな。
だから他にも来たんだよ。」
「なるほどねー…。」
「まさか財閥の嫁だなんて誰も思ってねーよ。」
「ふふ、そうだね。」
私はそんな話をしながら
シンプルなカフスボタンを選んだ。
「仕事の時つけてくれるといいな。」
「他はご覧になりますか?」
「ついでにバッグも。
小さいのがいい。」
「かしこまりました。」