生きる。~番外編~
私たちは多香子さんのご飯を食べた。
「由茉は泊まってくか?」
「ううん、そろそろ帰るよ。
22時頃には帰るって言ってたし。」
気がつけば22時少し前だった。
「一輝送ってって。」
「片桐さんは?」
「片桐さん結婚したから早く帰らせるようにしてるの。
あ、でも新井さんっていう若い人もいるけどね。
こんな時間に呼び出せないよ。」
「俺はいいのかよ。」
「兄だし。早く早く。
多香子さんも一緒に…」
「私は留守番してるからいいよ。
二人で行ってきて?」
結局私は一輝に送ってもらって
自宅へ戻った。
「ここまででいいよ?」
「いや、玄関まで行く。
片桐さんはいつもそうしてるだろ。」
「別に平気なのに。」
「途中で変なやつがエレベーター
乗り込んできたら困るしな。」