生きる。~番外編~



私たちは多香子さんのご飯を食べた。

「由茉は泊まってくか?」


「ううん、そろそろ帰るよ。

22時頃には帰るって言ってたし。」


気がつけば22時少し前だった。


「一輝送ってって。」


「片桐さんは?」


「片桐さん結婚したから早く帰らせるようにしてるの。

あ、でも新井さんっていう若い人もいるけどね。

こんな時間に呼び出せないよ。」


「俺はいいのかよ。」


「兄だし。早く早く。

多香子さんも一緒に…」


「私は留守番してるからいいよ。

二人で行ってきて?」


結局私は一輝に送ってもらって

自宅へ戻った。


「ここまででいいよ?」


「いや、玄関まで行く。

片桐さんはいつもそうしてるだろ。」


「別に平気なのに。」


「途中で変なやつがエレベーター

乗り込んできたら困るしな。」


< 158 / 532 >

この作品をシェア

pagetop