生きる。~番外編~
「え、じゃあ由茉さんちってみんな怖い?」
「えー、怖くないよ。ね?」
「普段は怖くねーけど
怒るとすげーこえーな。
特に兄貴二人な。殺されそう。」
「殺さないでしょ。」
「へぇ…。」
鮫島さんはちょっと引き気味だ。
「それより、みんな仲良いんだね。」
「まー、元クラスメイトだしな。」
「中学の頃から続いてるなんてすごいよ。
うらやましい。
私、その頃友達一人もいなかったよ。」
「美波は?」
一人の男の子に聞かれた。
「美波が私のところに来たのは16の時。
美波とは半年も一緒にいられなかったな…。」
「え、そんなすぐ…?」
「うん。美波はすぐに悪化していったよ。
一緒に至っていっても自由にお喋りできたのは
1ヶ月なかったかな…。」
「美波とはどんなこと話したの?」
「8割湊だね。
毎日毎日湊に会いたいとか帰りたいとか
湊自慢だったりとか。
爽たちの話も聞いてたけど…ほぼ湊。
……………死ぬ直前までね。」