生きる。~番外編~



そして試着。


「ふふ、やっぱかわいー。」


ヒールが高くても

港と身長差が30センチある私には

この高さでも大丈夫。

湊抜かさない。


……………むしろこのくらいないとバランス悪い。


「じゃあこれな。」


「え、決めるの早いね。

普通値段とか聞かない?」


「聞いたことない。」


……………やはり庶民とセレブの差だ。


結局一目惚れしたパンプスを爽に預けて

次に湊が見ていたのは女物の時計。


「誰にあげるの?」


「は?由茉しかいねーし。」


「え、私?」


「一輝さんの、最近つけてねーじゃん?」


一輝からもらった時計はカジュアルすぎて

最近服に合わなくなってきたのだ。


「……ありがと。」


そんなとこまで見ててくれて、ね?


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