生きる。~番外編~
「由茉ってファミレスとか来るの?」
「普通に来るよ?」
「へー、お金持ちなのにね。」
「私は違うって。」
私たちはそれぞれ注文し、話を始めた。
「あ、颯うちにいるよ。
ケンカしたんだって?」
「あー、まぁね。
颯から聞いた?」
「うん。でも私は外で働いてないし
美月も大変なんだよ、としか言えなかったけどね。」
「なんかねー…仕事のあとなにもしたくないの。
もともと家事って得意な方じゃないしさ。
私が悪いってわかってるんだけどねー………。」
「でもお互い働いてるんだから、
やっぱり支え合わなきゃ。
片桐さんって私の執事さんは
毎日完璧やろうとしないのがいいって。
今日はこれをやろう、今日はこれをやろうって
ひとつでもいいからやればいいって。
私も、それで少しずつ慣れてけばいいと思うんだ。
ご飯は作りおきとか。休みの日に頑張って
冷凍しておけば暖めるだけだしさ?
掃除も簡単に済ませたいなら物を増やさないとか。
収納を工夫するとかさ。
慣れてけばたぶん自然とできるようになるよ!
私も最初は全然うまくできなかったしさ。
料理も下手だったしね。」
「え、由茉が?」
「うん!最初から上手くいく人なんていないよ?
美月は今仕事も慣れないし、同棲にも慣れないし、
てんてこ舞なんだよ。きっと颯もね。
だからお互い支え合わなきゃ!
って私がえらそうか。ふふ。」