生きる。~番外編~
「ごちそうさま。うまかった。」
「お粗末様です。」
私はすぐに立ち上がって食器を片付ける。
そして湊の荷物を持つ。
「由茉。」
「ん?なに?」
「これ。大事な書類。」
そう言って私にA4サイズの封筒を差し出した。
「うん、でもなんで私に?」
「由茉もサインするところがあるんだ。
俺が帰ったら出しに行くから
中身確認してサインして大事に保管しといて。」
「あー、はい。
わかりました。」
「俺が帰るときは連絡するから
それ持って迎え来て。」
「うん、必ず行くね。」
「じゃあ行ってくる。」
そう言って私にキスをする。
変わらない、別れのキスだ。
「いってらっしゃい!気を付けてね!」
「おう。」
………何日で帰るのかな。
私の誕生日には戻ってきてくれるといいな。