生きる。~番外編~



「そういえば片桐さんは寝泊まりどこでするの?」


「病院近くにウィークリーマンションがありましたので

そちらを1週間借りております。」


「そっか、便利だね~。」


「日中は由茉様のそばにいますので、

なんでも仰ってください。」


「大丈夫なのに。看護師さんもいるしね!」


「そういうわけにはいきません。

一輝様にも毎日様子を連絡しろと言われておりますので。」


一輝かよ。

いったい何歳まで心配するのさ。


「あのさ、橘の嫁としてじゃなくて

一輝の妹として聞くけど

どうして一輝を総長に選んだの?

私、ずっと離れてたから

一輝とか晴輝のことあんまりわからないの。」


「……………俺が総長のとき、

一輝を見かけました。

中学生が高校生に喧嘩を売られていました。

その中学生が一輝で、相手の高校生は

当時蘭のやつらでした。

その頃は如月と蘭は敵対していました。

中学生の一輝に対して族のやつ3人。

さすがにないだろと思い、俺は近づいたんですけど

一輝は笑って『俺に勝てると思ってんの?』と言いました。

俺はその言葉に足を止めました。

蘭のやつらはすぐ一輝に殴りかかりました。

だけど一輝はすべて避け、全員を一発で終わらせました。

余計な動きはなく、可憐という言葉が合うくらい

静かに終わらせました。

それを見て俺は素直にすげーやつだなと思いました。」


へぇ、一輝が…。



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