生きる。~番外編~



そんな思出話を片桐さんと楽しんでいると

病院へ到着した。


「こっちこっち。」


私は片桐さんと病院に入る。

ここの病院も慣れたもので

受付とかも私が自分でやった。


「申し訳ありません。

私がいながら…」


「全然いいよー、気にしないで。

えーと、6階だったよね。行こ。

エレベーターあっち。」


検査入院だけど

私が入院するのは前と同じ病棟。

生きる希望のないあの空間に

少しでも光を与えられたら……



「Hello.」


今は回診の時間か。

忙しいときに来ちゃったな。



私がここにいた頃いた人はほとんどいない。

唯一いたのは……

「Yuma‼」

私の担当をしていた看護師さんが

師長となっていた。


「I came to the inspection hospitalization.(検査入院に来ました)」


私がそういうと書類を手にして部屋へと案内してくれた。

今回は私が手配したから大部屋。

といっても4人部屋に私以外に一人しかいなかった。


しかも……


「日本人?」


日本人男性だった。


「……………そうだけど。」


「Sorry.

If there is no spare room to the other…

(他に部屋が空いてなくて…)」


「Not a problem.(構わないわ。)」


「由茉様、お荷物はいかがしますか?」


「あぁ、そこら辺おいといて大丈夫だよ。

あとでしまうから。」


「かしこまりました。」


私はまた窓側。

窓から見える桜の木は前と変わらない。


この桜のお陰でたまにアメリカにいることを

忘れていたな………



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