生きる。~番外編~



「はいはい、俺らやるからどいてねー。」


純がグローブを外したところで、いかにもやんちゃそうな20歳くらいの男3人が私たちの間に入ってきた。


「………ん?」


え……?
なんで私見られて…


「え、かわいい!
ねぇねぇ、名前は?なんていうの?
何歳?」


いや…ただのナンパですか…


「や、あの私彼氏いるんで…」


「え、もしかしてあの弱い彼氏~?
あんなんがいいのー?俺のが強いよー?」


「………強い?」


「そ。あんなのやめて俺と遊ばない?」


「おい、ユウタ。またナンパかよ。」


「お、でもけっこうかわいい子じゃーん。」


このナンパ男はユウタというのか。


「私、あなたとは遊ばないんで。
純!行こ!」


私は男たちの向こう側にいる純に近づくため、男たちの横を通りすぎようとしたのだけれど…


「へぇ、可愛いじゃん。
俺らの仲間になれよ。」


真ん中にいた、いかにもこいつらのリーダー格のやつに腕を掴まれた。


「は?」


そのセリフは、湊が私に言った言葉と一緒なのに、全然違ったものに聞こえた。

言葉に含まれる暖かさで、こんなにも違うものかと思い知った。


「悪いけど、こいつは俺らの仲間だから。」


「純…」


ほら、こんなにも温度差があるんだ。
こいつらと純は雲泥の差がある。


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