生きる。~番外編~



「離せよ、その手。」


「あ!この子の指輪ダイヤじゃね!?
ってか絶対そうだよ!しかもこんなデカいの!」


「ちょ、触んないで!」


「いいじゃんいいじゃん、ちょっと見るだけだから!」


そういって、ユウタとかいうやつは私の強く握られた拳をこじ開けて、指輪を指から外した。


「ちょ、返して!」


「うわー、すげー!
俺こういうの初めて見たんだけど~!」


「返せよ!」


私を無視するこの男に、ついに純がキレて胸ぐらを思いっきり掴みあげた。


「………なに、俺に手をあげんの?
殴られたいのかな?ん?」


ユウタとかいう男はそういうとポケットに指輪をいれてしまった。


「…返せって言ってんだよ!」


そういって純は思いっきり拳を振ったんだけど…


「そんなのが俺に通用するとでも思ってんの?」


あっさりと、止められてしまい…


「………うっ…!」


逆に純が殴られ、倒れた。


「純!大丈夫?」


「………大丈夫だ、それより指輪…」


「いいから、もういいから…」


私はもう、誰かが傷つくのは嫌なんだよ。
誰かがやられてるところなんか、見たくない……


「…いててて!」


私が純に気をとられていたら、後ろから突然男の痛がる声が聞こえた。


「指輪を返しなさい。」



< 503 / 532 >

この作品をシェア

pagetop