生きる。~番外編~



「ところで、片桐さんはなんでいるの?
迎えいらないっていったのに。」


「湊様より、連絡をいただきました。
純様が心配だから、と。」


「え、純?」


「………湊様の言葉をそのままお伝えいたしますと…弱いくせに、大事なもん守ろうとするところは人一倍強いから、と…」


「………なるほどね。」


そうだよ、純は弱くなんかないもんね。
優しいやつだから、余計に心配になっちゃう。


「由茉様、お送りいたしますので、お車へ」


「ううん、純の後ろ乗る。」


「申し訳ございません。
……由茉様をお守りできない方と二人きりにはできません。」


「え、片桐さん…」


「その通りだよ、由茉。
俺じゃお前を守れない。弱すぎて頼りねーもんな。」


「は…?ちょ、純なにいってんの?」


「ほんとのことだろ!
………俺、一発も殴れなかったし…俺はいつも湊たちの後ろについてってただけ、なんだからよ。」


「そんなことないよ!純は強いよ!」


「…由茉のそういうとこ、俺にはすげー重いんだよ。
もう放っといてくんない?」


純はそういって、バイクに跨がり行ってしまった。


「………重い、か…」



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