Focus
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奏太くんの意味深な発言の翌日。
春華の委員会が久しぶりになかったので、一緒にお昼を食べることになった。
あんな発言を聞いたあとで、私は奏太くんと普通に話せる自信がないので、正直ほっとした部分もあった。
でも、奏太くんとは別に約束してる訳じゃないし、と言い訳しながらも、今頃奏太くんが独りだったらどうしよう、と気になってしまって仕方がない。
「いろちゃん、なんか心配事でもあるの? 元気ないね」
春華はよく私のことに気づいてくれる。
「実はね、春華が委員会の時、いつも一緒に昼休み過ごしてる子がいるんだけど......」
「中庭で会ったって言ってた子?」
「そうそう。でも、その子とは別にいつも約束してた訳じゃないんだよね、だから、今日も中庭に行かないってこと言ってないんだけど、気になっちゃって」
「そっかそっか。じゃあ、私はいいからその子のところに行ってあげなよ。きっといろちゃんのこと待ってると思うよ」
「そうだよね......」
少し気が重いけれど、もし待たせてたら悪いから行ってみよう。
「ごめんね、春華。せっかく久しぶりに一緒に食べれたのに」
「ううん、でも本当にすごく仲良くなったね、その子の名前はなんていうの?」
「相川奏太くんっていうんだ」
奏太くんのなまえを聞いたとたん、春華の顔色が変わった。
「え......? 何組?」
「分かんないや、1組か2組か3組だと思うんだけど......なんで?」
「いや、えっと......男の子だったんだなあと思って。行ってらっしゃい」
「え、う、うん。行ってきます」
春華の態度に少し疑問を抱きながら、中庭へと急いだ。