幼なじみの君と僕



俺はもう何年もあいつの笑顔を見てない。


むしろ泣きそうな顔をしてるところしか見てない気がする。

「あと…あくまでも噂なんだけど……槌田が結花ちゃんを好きだとか…。」


俺はなにも言えなかった。

「彼方…このままでいいのか?」


「……別に俺には関係ないだろ?」


そうだ。関係ない。結花が誰と話そうと。

結花が誰に笑顔を向けようと。

結花が誰を好きになろうと。


俺は結花の彼氏じゃない。


ただの片想いの分際で口出しなんてする事なんて……出来ない……。


でも……苦しい。


自惚れてたのかも知れない。


結花があの約束を覚えてるってまだ心の奥では期待してた。



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