恋じゃないと願うだけ






「ありがとう…

すっごく可愛い!


大切にするね…」





両手で握るストールの温かさと旬君の優しさで涙が溢れそうだった。





ギュッ…




そんなあたしを旬君は優しく抱きしめた。





バクバク高鳴る胸の鼓動は


あたしの音と旬君の音で


静かな公園をより緊張した空間に変えた。






旬君は今どんな顔をしているんだろう。


きっと、あたしと同じなんだろうな。




熱くなる顔をそっと上げる。





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