恋じゃないと願うだけ
「また新しい恋でもしようよ♪」
なんて能天気なエリナ。
エリナと居ると少しだけ胸が痛くなる。
だって…
だって…
あたしの知らない旬君の情報を毎日のように聞かされるんだもん。
まぁエリナからしてみれば、アキラ君の話しをしてるつもりなんだろうけど…
ついでのように話す旬君の話しが
あたしにとってはチクッとささる刺のようなものだった。
「…でね、そしたら旬君がさぁ…」
またいつもの旬君ネタだ…
ぎゅっと制服のリボンを握る。
「…もうやめたら?」
拓君?
昼休み、いつものように勇樹君と昼食を食べていた拓君。
少し離れた所に居る二人。
エリナの話しが聞こえていたのが明らかにエリナを見ている。